この前、頂上に愛宕神社(あたごじんじゃ)が鎮座している右京区・愛宕山の登山に行った際、愛宕山内にある大きな滝「空也の滝」に寄りました。
この滝が魅力たっぷりのとても素晴らしいものでしたので、この記事でその魅力を共有させていただきます。
そもそも空也の滝とは?
道端の案内板によると、平安時代の僧・空也上人(903-972)の修行場であったことから、「空也の滝」と呼ばれるようになったとのこと。
大きさは高さ約12メートル・幅約1メートルで、京都近郊では最大級の滝だそうです。
空也上人といえば、口から6体の阿弥陀仏が出ている空也上人像が有名ですよね。
六波羅蜜寺を創建したことでも知られる空也上人ですが、実は愛宕山とも関係が深く、愛宕山中腹にある月輪寺(つきのわでら)で修行を行い、悟りを開いたと伝わっています。
また、月輪寺境内には、空也上人が龍神から授かったという「龍奇水(りゅうきすい)」も湧いています。
空也の滝に行ってみた!
愛宕山山頂から下山
愛宕山山頂の愛宕神社に参拝し、月輪寺ルートで下山。
月輪寺以外はほとんど見どころがない山道をぼーっと歩き続けていると、遠くから水の音が聞こえてきました。
下山するにつれて、水の音はどんどん大きくなっていき、山道の終わりと同時に小さな川が現れました。
この川を見て私は思い出しました。
愛宕神社・月輪寺が目的だったので、空也の滝のことは全くと言っていいほど調べておらず、なんとなく「滝がある」という情報しか知りませんでした。
スマホで詳しく調べようとしましたが、アンテナマークはなんと0本(LINEモバイルSB回線)。
近くに掲示されていた案内板にも、空也の滝のことは載っていませんでした。
空也の滝へ歩く
川の周りをキョロキョロしていると、木の枝に小さな「空也の滝へ」という案内が吊るされているのを発見。
置物のたぬきくんを右手に見ながら、ヘトヘトの体で山道を再び登り始めました。
しばらくすると、前の方に男性を発見。
正直、一人では心細かったので謎の安心感が生まれました。
その後は男性の後を追いつつ更に奥へ。
しばらくすると、「八大龍王」の扁額が掲げられた鳥居が現れました。
両脇には狛犬が鎮座。
民家(?)とプレハブ倉庫の間にある道を進みます。
この辺りはマムシが出るらしいので、マムシの出没頻度が高くなる春から秋に行かれる方は、特に注意してくださいね。
更に進むと、ブルーシートがかけられた鳥居立っていました。
他の方のブログを見てみると、もともとは朱色の鳥居だったみたいです。
空也の滝に到着!
このブルーシート鳥居を抜けると、ようやく空也の滝が現れました。
たぬき達とお別れしてから、約7分ほどで到着。
失礼ながら正直あまり期待していませんでしたが、この壮大な滝を見て思わず息を呑みました。ナメてた自分を叱りたい。
50mmの単焦点レンズしか持っていかなかったので、一眼レフでは全体が収まりませんでした。残念。
次行ったときは、もう少し広角のレンズを持っていきたいと思います。
使用したレンズ↓
滝の前には「空也瀧」の扁額が掲げられた鳥居があり、しめ縄が取り付けられています。
苔生した鳥居が、あの世とこの世の境目のような雰囲気。
滝に近付いてみると、マイナスイオンがブワーッッッッときます。
たぶん夏に来たら最高かな。
勢いよく落ちる大量の水を見ていると、不思議と心が洗われるような感覚になりました。
滝周辺に祀られているもの
滝の周りには色んなものが祀られており、とても神聖な雰囲気に包まれています。
修験道の祖・役行者(役小角)と前鬼後鬼。
ちなみに、役行者は修験道の僧・泰澄と共に愛宕神社を創建しています。
八大龍王。
不動明王は複数祀られています。
不動明王って滝の近くによく祀られている印象です。
清水寺の音羽の滝にも祀られていますし、伏見稲荷大社の稲荷山内にある滝でも複数見かけました。
不動明王が滝近くに祀られているのにはなにか理由があるはずなんですが、調べてもよくわかりませんでした。
分かり次第追記したいと思います。
前を歩いていた男性が滝行開始
空也の滝に向かっているときに前を歩かれていた男性は、「ここから撮ったほうがいい感じだよ〜。」などと声をかけてくださり、とても優しい方でした。
その男性は服を脱いでふんどし姿になり、滝の前にあるロウソク台に8本のロウソクを灯し、滝に向かって塩やお酒を撒き、呪文を唱えてから滝の中に入っていかれました。
この日は10月30日。厚手の服を着ていても寒いと感じる日でした。
この環境の中で滝行を行うのは、並大抵のことではないと思います。
最初はビックリしましたが、平安時代の空也上人が修行した滝で令和の時代に同じように修行されている方を見て少し感動しました。
空也の滝へのアクセス
空也の滝は、愛宕山の清滝口から行くことが可能です。
愛宕神社二の鳥居はくぐらず、矢印の方向に進みます。
橋は渡らず、左奥に進んでいきます。
その後は道なりに進んでいきます。
途中、高雄方面への分岐が現れますが、ここは左に進みます。
しばらくすると、月輪寺のぼり口が現れますので、ここも左に進みます。
あとは、上の方で紹介しているような順路となります。
清滝口から八大龍王(空也の滝)への順路。
空也の滝まとめ
以上、空也の滝のご紹介でした。
空也の滝は、想像していたより数十倍も魅力がある滝でした。
愛宕山登山は今回で5回目でしたが、今まで空也の滝に行かなかったことを後悔しています。
愛宕山を訪れた際は、足元に気をつけながら空也の滝を訪れてみてくださいね。