三十三間堂では、毎年1月15日に近い日曜日に「初観音」が行われ、通常大人600円の拝観料がなんと無料になります(もちろん子供も無料)!
初観音の日には、「楊枝のお加持」と「通し矢(大的大会)」という行事が毎年行われています。
2021年のコロナ禍で、この2つの行事はどのように行われたか。
実際に行ってみたのでご紹介したいと思います。
三十三間堂の楊枝のお加持と通し矢とは?
そもそも「楊枝のお加持」と「通し矢(大的大会)」とはどんな行事なのか?
まずは簡単にご説明します!
楊枝のお加持
正式名称は「楊枝浄水供」と呼ばれる三十三間堂の最重法要。
もともとはインドから伝来した修法であり、平安時代からの歴史があります。
楊枝のお加持では、高僧が観音様の御前で7日間祈願した浄水に柳の枝を浸し、参拝者の頭上に振りかけます。
古くから頭痛封じや諸病平癒のご利益があるといわれ、また、記憶力が良くなるという伝えもあります。
頭痛封じのご利益は、第77代天皇・後白河天皇が三十三間堂に祀られている観音様への信仰により、持病の頭痛を治したという故事にちなむものです。
2021年のポスターには、「疫病退散」の文字が追加されていました。
通し矢(大的大会)
通し矢は三十三間堂の弓の引き始め儀式です。
通し矢の起こりについては諸説ありますが、江戸時代には、約120m先にある的を一昼夜のうち何本通せるか競い合っていたと伝わっています。
全国から新成人ら千数百人が集まる「大的大会」はこの故事にならって開かれ、参加者は約60m先に設置された直径約1mの的をめがけて矢を放ちます。
屋台もなく人が少ない三十三間堂・初観音
例年、初観音の日は境内に様々な屋台が立ち並び、とてもにぎやかになります。
しかし、コロナ禍の2021年は屋台の出店はなく、人出もまばら。
私が見た感じ、境内にいるのは観光客ではなく、毎年かかさず参拝しているような地元の方がほとんどでした。
屋外で行われた三十三間堂・楊枝のお加持
楊枝のお加持は例年本堂内で行われますが、2021年は屋外に設置された「浄水加持所」で行われました。
紅白の幕に囲まれたテント内には、中央に本堂内の観音様を拝む場所、その左右にお坊さんが座るための椅子が設けられていました。
本堂内で行われる楊枝のお加持は、メディア以外の一般人は撮影禁止。
しかし、係の方に確認したところ、今年は屋外ということもあり、撮影して大丈夫とのことでした!
というわけで、撮影したお加持の様子を数枚載せさせていただきます。
とても優しそうなマスク姿のお坊さん。
笑顔で参拝者にお加持をされていました。
浄水に柳の枝を浸すときの「チンチンチン」という仏具の音が静かに響きます。
お加持のご利益もあってか、私はここ数年頭痛になっていません(笑)。
また来年もお加持を受けに行きたいと思います。
三十三間堂・通し矢は中止、代わりに祈願祭
多くの選手・見物人でごった返す通し矢(大的大会)は残念ながら中止になりました。
会場に行くのも帰るのも一苦労なほど超超超蜜になるので、中止は仕方ないと思います。
ちなみに、人波に揉まれながら撮影した写真がコチラです。
かろうじて選手が見えますが、ほとんど前の人の頭(笑)。
通し矢(大的大会)は中止になりましたが、代わりに弓道上達を祈願する「特別祈願祭」が行われました。
祈願祭には、晴れ着姿の新成人が数人参加。
お寺の方の話の後、約28m先に設置された小さな的に向かって1人2本ずつ引いていました。
弓を引いている最中の画像は省略させていただきますが、とてもステキな弓引きを見ることが出来ました。
まとめ
以上、三十三間堂の初観音の日に行われる「楊枝のお加持」と「通し矢(大的大会)」の紹介と、コロナ禍のレポートでした。
来年2022年の初観音は1月16日。
新型コロナが終息し、楊枝のお加持と通し矢(大的大会)が無事に行われることを祈ります。