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京都の通な楽しみ方?「京都の通りを歩いて愉しむ」 柏井 壽著

nobo
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こんにちは、長崎出身の似非京都人noboです。

今回は最近読んだ柏井 壽さんの「京都の通りを歩いて愉しむ <通>が愛する美味・路地・古刹まで(PHP研究所)」という本のご紹介です!
『京都の通り』について分かるこの本は、京都に観光へ来る方にはもちろん、京都に住んでいる方にもオススメな1冊です。

京都の通りを歩いて愉しむ

著者:柏井 壽さん

この本の著者・柏井 壽さんのプロフィール。

1952年、京都市生まれ。1976年、大阪歯科大学卒業。京都市北区にて歯科医院を開業。京都関連、食関連、旅関連のエッセイを執筆。小学館主催の「日本おいしい小説大賞」の選考委員も務める

出典:京都の通りを歩いて愉しむ(Amazon)

柏井さんは、本書以外にも「京都の路地裏 生粋の京都人が教えるひそかな愉しみ」や「おひとり京都の愉しみ」など、京都関連の本を多く出版されています。

通り名についての基礎知識

794年に都が平安京になった際、京都は南北の通りと東西の通りが直交するように整備されました。

時代の流れの中で少しづつ形を変えていますが、今も昔も「碁盤の目」のような形は変わりません。

また、京都の住所には、「通りの交差点 + 『上ル・下ル・東入ル・西入ル』」という独特な表記が使われています。

例:京都市役所
京都市中京区寺町通御池上ル上本能寺前町488

意味まとめ
  • 上ル:通りの交差点から
  • 下ル:通りの交差点から
  • 東入ル:通りの交差点から東へ
  • 西入ル:通りの交差点から西へ
京都の通りのイラスト画像の出典:京都市情報館

この「通りの交差点 + 『上ル・下ル・東入ル・西入ル』」は、場所を伝える時に非常に便利です。

例えば、このブログで以前ご紹介した「ハイライトカツサンド」の場所について京都の人に教えるとき、住所の「下京区綾材木町」と言っても全く伝わりません。

しかし、通り名を使って「綾小路柳馬場西入ル」と伝えると、一発で場所が伝わります。

【鶏に謝れ。】ハイライトカツサンド | 巨大チキンカツにかぶりつく2020年7月に下京区・綾小路通柳馬場にオープンしたカツサンド専門店「ハイライトカツサンド」。フワサクの食パンにカットされていないサクサクのチキンカツとシャキシャキのキャベツの愛称が抜群です。...

私も長崎県から引っ越して間もない頃、タクシーの運転手さんに「○○区の●●町(自宅の住所)までお願いします」と伝えると…

運転手さん
運転手さん

お兄ちゃん、京都ではな、町名では伝わらんのや。
何通りと何通りがぶつかるところなんか教えてくれる?

と言われた経験があります。

京都の通り名の歌

生活に必要な通り名について、京都の人たちは「通り名の歌」で覚えます。

通り名の歌は数パターンあるそうですが、ここでは最もポピュラーな東西の通りの歌のみをご紹介します。

丸竹夷二押御池
(まるたけえびすにおしおいけ)

姉三六角蛸錦
(あねさんろっかくたこにしき)

四綾仏高松万五条
(しあやぶったかまつまんごじょう)

雪駄ちゃらちゃら魚の棚
(せったちゃらちゃらうおのたな)

六条三哲通りすぎ
(ろくじょうさんてつとおりすぎ)

七条こえれば八九条
(ななじょうこえればはちくじょう)

十条東寺でとどめさす
(じゅうじょうとうじでとどめさす)

本書の「はじめに」でも紹介されているこの通り名の歌ですが、よくよく見ると違和感があります。

まず、前半の「丸竹〜五条」までは漢字のみで構成されており、無駄がない感じがしますが、後半の「雪駄〜とどめさす」は通り名より関係ない語句の方が多く入っています。

後半部分についてもっと述べると、この歌は北の通りから順に歌われていますが、三哲通り(塩小路通り)が何故か七条通りより先に登場しています。

京都検定の公式テキストはこの後半部分の「雪駄〜とどめさす」について、「大正初年以降に付け加えられたものではないだろうか」と推測。

一体どんな理由で順番が間違っている歌が語り継がれているのでしょうか。
もっと色々と調べてみたくなってきます。

京都の通り名の歌

京都の通りを歩いて愉しむの目次と内容

さて、ここからは本書の内容と魅力について伝えます!

京都の通りを歩いて愉しむの目次
  • 第一部 丸太町通から御池通まで
  • 第二部 姉小路通から錦通まで
  • 第三部 四条通から五条通まで
  • 番外編・正面通

本書では、通り名の歌の前半部分「丸太町通・竹屋町通・夷川通・二条通・押小路通・御池通・姉小路通・三条通・六角通・蛸薬師通・錦小路通・四条通・綾小路通・仏光寺通・高辻通・松原通・万寿寺通・五条通」の18通りと、通り名の歌には入っていないけど重要な通り「正面通」の計19通りを掲載。

各通りの由来や歴史を始め、通り沿いにある名店や歴史ある神社仏閣、あまり知られていない名所などについて、通りの東側から紹介してあります。

私は京都に住み始めて6年目ですが、新たな発見が本当に多くありました。

観光客向けのガイドブックには乗っていないような「京都人が愛してやまないお店」を複数知ることができ、「忘れないうちに今行きたい!!!」と何回かなりました(笑)。

気になるお店はメモしておくのがオススメです!

京都の通りを歩いて愉しむ

わかりやすい2つの工夫

本書には2つの工夫が施されています。

1つ目は「通り名表記」。

ページの右上には各章ごとの通りの頭文字がずらりと並んでおり、そのページで紹介されている通りの頭文字は濃く表記されています。

「○○通りってどんなお店があったんだっけ」と思った時に、素早く見返すことが出来る便利な表記です。
京都散策のお供にも良さそうですね!

京都の通りを歩いて愉しむ

2つ目は「地図表示」。

各ページの上部には簡略化された地図が描かれています。

この⑤で示されている場所は、ワッフルが美味しい洋菓子屋「欧風堂」です。
横の通りが竹屋町通、縦のシマシマの線が京都市営地下鉄烏丸駅(烏丸通)。

この地図で紹介されているスポットの大体の場所について知ることが出来ますが、とてもシンプルなため、京都以外の人がこれを見てもなかなかイメージしづらいかもしれません。
実際、京都に住み始めて6年目の私でも「えーっと…」となる箇所がありました。

ですので、京都の詳細な地図と一緒に読み進めるのが一番理解しやすいかもしれません。

京都の通りを歩いて愉しむ

まとめ

以上、柏井 壽さん著「京都の通りを歩いて愉しむ」の紹介でした。

京都以外の方は知らない情報ばかりで面白いでしょうし、京都に住んでいる方でもきっと新たな発見があるはずです。
ぜひ、この本を片手に京都の通りを歩いてみて下さいね!